英単語が増える!語源イメージ (27) PRINCESS : 最も重要なもの、最初のものにつくPRIN & PRIM
27回 今回のキーワードは PRINCESS です。
「王子」 prince と並び、「王女」 princess の 言葉の最初に来る prin- という言葉は prim-、 prem- と共にラテン語の primus [第一の=first] に由来します。一番のもの、最も重要なもの、そして最初のものなどを表す言葉の頭につく接頭辞です。
たとえば学校で先生の第一人者は校長先生ですね。「校長」は principal。 principal は「大切な、主な」という形容詞でもあります。principal factor 「主要因」、principal player「大物」といった風に使われます。
[最初] に通う学校は小学校なので、小学校は primary school と言います。primary も 「最初の」という意味に形容詞として広く使われます。primary balance 「プライマリーバランス」は国の歳入と歳出の差、つまり国の収支が黒字か赤字かを示す、国の経済にとっては最も重要な数字です。
principle も 「原理、主義」など組織や制度の最も重要なよりどころを示す言葉です。priority は「優先順位」。大切さの順番ですね。「優先させる」 という動詞は prioritize です。
総理大臣も、一国の中で最も重要な役割を果たすので minister 「大臣」を後ろにつけて prime minister と言います。「首相」 は国によっては premier という言葉を使います。
premier (プレミア) という言葉は日本でもよく聞く言葉ですね。イギリスのトップサッカーリーグ Premier League 「プレミアリーグ」も有名ですし、フランスのワインでも premier grand cru 「プレミア・グラン・クル」と言えば最上級を示しますね。
人間の歴史で最初の頃、「原始時代」 は primitive times あるいは primeval age と言います。「原始の」は primitive のほかに primeval という言葉もあるのです。primitive は名詞の場合、「原始人」を意味します。
さてバレエの世界で、各バレエ団のトップを張るバレリーナを prima 「プリマ」 と呼びますね。イタリア語ですが、意味はやはり「主役、トップ」を示し、prima ballerina 「バレーの主役」というように使います。 イタリア語で prima donna 「オペラの主役女性歌手」を示します。
ちなみに、植物の「サクラソウ」は primrose と言います。prim + rose です。淡黄緑色のこの花は、[最初のバラ、早春に咲く花] と言う意味なんですね。