英単語が増える!語源イメージ (17) MANICURE:「手の手入れ」とは現代版「ネイルアート」のこと
第17回 今回のキーワードは MANICURE です。
"mani" はラテン語の manus [手] に由来します。ですから manicure「マニキュア」 は mani + cure [careと同じで注意、手入、治療] で 「手の手入れ」を意味します。
手の手入れといっても爪の手入れですから、最近人気のネイルアート (nail art)の方が正確な表現かもしれませんね。
したがって足の爪の場合は、ped [足、foot] + cure で pedicure 「ペディキュア」となります。
様々な装置を操作するときに参照する 「マニュアル、操作説明書」 manual も日本語で言えば「手本、手引き」 となりますから manu [手] + al [形容詞をつくる接尾語] でできているのも納得ですね。
日本語で「マナーが良い、悪い」というように表現する「マナー、行儀」は、英語では manners と複数形で使います。やはりmanus [手]に由来します。単数形の manner には「方法、やり方」という意味があり in this manner 「この方法で」というように使います。日本語でも「やり方」は「手法」とも言いますからね。
manage 「なんとかやり遂げる、管理する」 も同語源です。manager 「管理者」は、「課長、監督者」などの意味でも使いますが、「様々な [手法] を駆使して物事をなんとか進めてくれる人」とも言えるわけですね。「組織の管理」は management で management には 「経営、経営陣」の意味もあります。
車や機械の維持をメンテナンスといいますが、この maintenance の動詞 maintain 「維持する」 も [手] に由来し manus [手] + tenere [持つ] から出来た言葉です。
工場などでの製品の製造は manufacturing 「製造」で、動詞は manufacture 「製造する」です。これも manu [手]+fact [作る] でできた言葉です。現代では manufacturing と言えば機械による大量生産のイメージも強いですが、元々はみな手作業で作られていたわけですからね。
manuscript は「原稿」を意味します。manu [手] + scrib [書く] に由来しています。印刷前のオリジナルの原稿のことなので 「手書き」と言うわけです。
ちなみに、巧みに人や装置を操る人のことを manipulator と言います。あまり良くない行動にも使われるこの表現、動詞は manipulate 「操作する、操る」で、やはり mani [手] + pul [満たす] からできた言葉です。皆さんも、誰かに manipulate されたりしないよう、注意しましょう(笑)。